リオオリンピックとIT技術 その1:メディア・情報配信
リオオリンピック終わっちゃいましたね。
個人的には、リオオリンピックのハイライトは、競泳男子800mリレーの銅メダルでしょうか。本当に嬉しすぎる。日本の自由形が世界で戦えることを証明してくれたのが本当に嬉しい。
自分も競泳をしていて、自分は雑魚選手で終わったけれども、それでも自分の専門種目が世界で戦えるようになったというのが、本当に嬉しい。おめでとうございます!閉会式の日本のパフォーマンスもよかった、一気に2020に期待したくなった。
そんなリオオリンピックですが、どんな所に新しいIT技術が導入されていたのか、ざっと調べてみました。
360°動画
NHKが開会式、ビーチバレーで360度動画配信をしていました。
開会式のリアルタイム配信をちょっと見ていましたが、イマイチでした。イマイチだと思った理由は以下の3つ。
- ステッチなどの画像加工などのためか、TV中継から360度動画の間の遅延は1分ちょっとぐらい。TVで普通の映像をみつつ、全天球動画で他もみたいというユースケースには耐えられないな
- 画質がやっぱり少し悪い
- 360度動画を撮影しているカメラの位置取りが悪く、360度である意味がほぼない(半分の180度ぐらいが観客席になってしまっていて、カメラを動かす意味が無い)
カメラを置ける位置が制限されていて、本来撮影したいポジションに置くのが難しいのでしょうが、魅力的なコンテンツに仕上げるには、ここが大きな課題だなーと思った。
また、BBCでもアプリで360度動画の配信していたようです。日本リージョンでアプリ配信されておらず、現物は確認できてませんが・・・。
ちなみに、この360度映像は、公式のオリンピック・ブロードキャスティング・サービス(OBS)が撮影していて、 それを各社が使いまわしているっぽいので、映像自体はNHKもBBCも同じなんじゃないかなと思います。
一般大衆向けの全天球カメラもRICOH THETAや、iphoneに付属でつけられるInsta360 Nanoなど、色々と種類も豊富になってきて、2020までにはもっと普及するんじゃないかな?って思っています。
2020のときにはもうちょっとメジャーになってVRや全天球動画が流行っているのでしょうか?もし、そうなら、開会式の真ん中に全天球カメラを設置してほしい!
ネット配信
今回のリオオリンピックで、ネット配信の存在感が増したような気がする。 閉会式をリアルタイムで見れなかったので、見逃し配信は超助かった。
スタッツ情報のオーバレイ、マルチビューを実装していて、今後に期待できるいい感じのサービスだと思う。
次の2020のときには、TVとネットが交代し、ネットが主役になっているのか? その可能性は十分あると思うし、ネット配信によって、視聴体験は変わる可能性があるなと思った。
スタッツ情報のオーバレイ
サンプルで、競泳とバレーボールのもののスクショを貼ってみました。
日本人選手も注目選手も出ていない試合を見るときに、スタッツ情報を眺めていると楽しいし、生放送は臨場感高くするためにスタッツは非表示で、リプレイ時にスタッツをみながらもう一度見るといった視聴体験は面白いなと思った。
だた、動画にオーバレイするのではなく、動画の外にスタッツ出してほしい・・・。
マルチビュー
複数の競技の中継を、1つの画面で同時に視聴できるような機能。リアルタイムで同時に進行するオリンピックならではだと思うけれど、全部をみたいという欲張りの人にはいいかもしれない。
Webなんだったら、TVっぽい画面分割でなく、Webっぽい画面分割でもっと見やすくならないかな?とか思ったり。
ニュース配信/メディアの取り組み
日本のメディアはよく調べていないけれど、各海外メディアは色々、取り組んでいた模様。
The New York Times
SMS配信
オリンピックの試合の進行に合わせてSMS配信。
横スクロール記事
http://www.nytimes.com/interactive/2016/08/15/sports/olympics/usain-bolt-mens-100-meters-final.html
陸上100mの様子を横スクロールで、解説。はじめて、横スクロールで「いいかも」って思った。横であることのメリットを感じた。
インターラクティブ記事
http://www.nytimes.com/interactive/2016/08/05/sports/olympics-swimmer-ryan-lochte.html
コーチの発言、選手の競技中の動画、コメントなどをいい感じに織り交ぜながら、表現している記事。 この例では、コーチの発言、選手の競技中の動画、コメントを使って、ライアンロクテの速さに迫っている。
GIF配信
オリンピック組織員会は、承認されていないGIF画像を配信することを禁止しているけれども、イラストにすることによって、禁止条項を回避して、わかりやすい情報提供をおこなった
Katie Ledecky crushed her own World Record in the 400-meter freestyle - here's our recap. https://t.co/vu2xbjLNTB pic.twitter.com/UJKnYKJKgh
— NYT Graphics (@nytgraphics) August 8, 2016
The Washington Post
botsで自動記事作成
Virginia Thrasher #USA wins shooting gold in women's 10m air rifle, beating Li Du #CHN.
— Post Olympics (@wpolympicsbot) August 6, 2016
こんな感じの記事をbotで試合結果を自動作成して配信。 AIとかではなく、恐らくテンンプレートを用意をして、当てはめているっぽい?
インターラクティブ記事
上のものは、スポーツでつかうボール・道具・競技場などの大きさを比較して、可視化しているインターラクティブ記事。 体操の平均台が卓球台よりも全然大きいものであったり、アーチェリーのフィールドが77ヤードもあるなんて知らなかった。
Guardian
モバイルPush
Guardian Mobile Innovation LabがWeb Pushを実験的に導入。 Daily leaderboardや、Real-time medal alertsなどの情報をWeb Pushを配信していたらしい。
インターラクティブpodcast
RioRunという、リオオリンピックのマラソンをなぞったPodcastを配信している。ユーザがランニングしながら聞くことを想定していて、走行距離などに応じて配信する内容を変え、Podcastを聞きながらランニングすることで擬似的にリオのマラソンコースを走っている感じになるっぽい。 Podcast(音源情報)をユーザの状態に応じて切り替えるものをインターラクティブPodcastというらしい?
インターラクティブ記事
katie ledeckyの4フリの世界新をインターラクティブ記事で紹介。 なかなか面白い、インターラクティブ記事だ。
Wall Street Journal
オリンピックゲーム
いくつかのオリンピック競技っぽい、ミニゲームを公開している。 ボタンを押す反応時間を計測すると、陸上選手のスタートと比較したり、他のユーザと比較できたりできるゲームを展開していた
その他(各スポーツメーカ)
tritonwear
TritonWear | 2016 Olympic Games
tritonwearは、頭に装着することで、Stroke Countやスプリットタイム、水中にいる時間などを測定できるウェアブルデバイスを販売している会社。その会社もオリンピックの情報をインターラクティブ記事で配信していた。 全然、調べ切れていないが、Sports×ITをやっているベンチャーで、他にも試合結果をインターラクティブ記事で公開しているメーカがあるんじゃないかなと思う。
感想
インターラクティブ記事は、割とどこのメディアもやっているので、一般化してきているなーという印象。インターラクティブ記事は、何をどう可視化するのか?という部分が難しいなと思いつつ、苦労して実装してメディアのメリットになるのか?という疑問もあります。 その中で、GIFアニメで可視化してわかりやすくTwitterなど軽量?メディアで配信するっていうのは、ユーザからみると隙間時間でわかりやすく情報を受け取れるので、すごくいいなと思った。GIFアニメいいな、今度から使ってみようと思いました。
メディア系だけでなく、競技の中でも新しい技術が使われているようなので、そっちの内容も後日、別途、別のエントリにまとめようかと思います。
内容をまとめましたので、こちらのエントリをご覧ください。