「身につくベイズ統計学 」は良書だった
今度、豊田先生のはじめての 統計データ分析 ―ベイズ的〈ポストp値時代〉の統計学―の本もでるし、理解しているようで、理解できていないベイズ統計をもう一度勉強しようと思って、この本を読んでみた。とてもいい本だった。 ベイズ統計の本のリリースラッシュの中、この本は基礎固めに最適だと思った。その読書メモ。
簡単な例題がおおい
こういう風にベイズ統計を使えばいいのか、メリットがあるのかということがよく分かるような簡単な例題がたくさんよういされているので、ベイズ統計の威力を実感できる作りになっていると思う。
頻度論とベイズを対比させて書いている
頻度論での分析の流れと対比させて、ベイズ論の分析を説明しているので、「考え方」「使い方」の違いがよくわかりやすい。頻度論とベイズ論で同じ分析結果になるとしても、考え方の着想・プロセスの違いがわかるので、頻度論になれてしまっている人にとっては、とてもいいと思う。
ベイズ統計からの延長で、MCMCなどの説明がなされている
緑本で有名なデータ解析のための統計モデリング入門――一般化線形モデル・階層ベイズモデル・MCMC (確率と情報の科学)では、一般化線形モデルから出発してMCMCに至るので、ベイス統計をはじめて触る人に関しては、ベイズ統計の知識が少し説明が足りないように感じるかと思います。私も初めて読んだ時は、ピンと来ていない部分が多かったです。(注:緑本はとても素晴らしい本であるのは間違いないです)
この本は、ベイズ論からMCMCに至っているので、別の切り口でMCMCまでの発展を追うことができるので、緑本と合わせて読めば、MCMCの理解が深まるかと思います。
かゆいところに手が届く解説
・・・など、改めて聞かれると「あれ?なんだっけ?」と思いがちな部分、説明がはしょられがちな部分についても、しっかりと説明がなされていて、見落としがちな大事な部分を押さえられて、とてもよかった。 上の項目で、「あれ?ちょっと自信ない・・・」と思った方はぜひ読んでもらえればと思います。