ある男性ITエンジニアが2回目の育児休業を取った感想
先日、2人目の子供が生まれました。1人目の子供の時も育児休業を取得しましたが、周りの方々のサポートのおかげで、今回の2人目の時も育児休業を取得できました。
2018/8 現在で、育児休業を真っ只中ですが、2人目の育児休業取得に当たり、感じたことを残しておきます。男性で2回以上、育児休業を取得したって話をあまり聞かないので、何かの参考になればと思います。
どのぐらいの育児休業を取ったのか?
まず話の前提として、どのような状況で育児休業を取ったのかと言うと・・・
と言う形で、育児休業を取っています
育児休業の感想:1人目の時との違いを中心に
前回の育児休業の時と感じたことはだいたい同じだったので、1人目の時との差分を中心に思ったことを書いていきます。
2人目の育児休業、何がイチバン良かったか
- 第一子にちゃんと向き合ってあげられる。保育園の送迎、ちょっとしたタイミングで、ちゃんと甘えさせてあげられる時間的・精神的な余裕を持つことができたのが、個人的には大きかったです。
- 仕事をしながらだと、「仕事で疲れてるから・・・」「早く送迎して仕事いかないと」とか何かとゆとりを持って接してあげられないので、赤ちゃん返りなど寂しく・甘えたがる、上の子供にとっても大事な時期を、ちゃんと向き合えたと言うのは非常にありがったです。
- (向き合えたとしても、「パパ、ダメ!」と子供から拒否されることもあるのですが・・・w)
育児休業直前の仕事の様子
- 前回育児休業を取得した時よりも、自分の年次が上がっていて、任される役割が大きくなっていたので、ギリギリまで全力で働きました。
- 育休中もリモートやSlackベースでコミュニケーションが取れると言うことや、基本的に2人以上の体制で行なっていたので、引き継ぎを本気出さなくても何とかなると言うのが大きかったです。
- 普段から冗長性を持たせた体制を築いておくと言うのがやっぱり大事だなと改めて思いました。この点は、1人目が生まれてから、子供が体調を崩したときに、突然会社にいけなくなると言うことを常に意識していたことがあったり、自分の周りに信頼できる人が多く恵まれた環境であると言うのが大きかったです
育児休業、取得タイミングは迷いがなかった
- 第一子の時は、「新生児の子育て」が未知の世界だったので、いつからいつまで育児休業を取ればいいのかがイメージできなかったけれども、第一子の経験があるので、今回はいつからいつまで取れば良いのかのイメージができました。結局、第一子と同じ理由で、出産のタイミングから産後休暇まで取得をする予定です。
- 1人目の時は不安だったのが、2人目の時は、「まぁ、ここでいいか」と言う程度の自信を持つことはできました
色々な不安は少なかった
- 1人目の経験があったので、下記のような不安はありませんでした。前回取得時と、上司・同僚の顔ぶれが変わっていなかったので、「今回も取得させてください!」と言うことで、すんなり行ったと思います
- どうやって育児休業を取得すればいいんだろう・・・(制度的な面で)
- 上司や同僚にいつ伝えよう・・・
- 復帰した後、仕事がなくなっていたらどうしよう・・・
- 家族などの周りの反応も、2回目ということで、特に驚かれもせずに受け入れられました
その他
- 子供が生まれて、生活が大きく変わるタイミングで、仕事のペースを落としてでも、生活を固めると言うことは、今後の生活のためにも良いことだなと改めて思いました
- 特に子供が体調を崩した時など、「新生児の面倒を見ながら、上の子を看病をする」という大変な状況になっても、仕事のことを考えずに、向き合えるというのはよかったです
育児休業の取得をサポートしてくださった皆さんに、本当に感謝です!特に同じチームメンバの方々!!
自分の読書履歴で、2017年を振り返る
最近やってる、毎年のアレ。 自分の興味関心が何処になったのか?を振り返る。
データ分析/機械学習系:9冊
- Rによる実証分析-回帰分析から因果分析へ-
- 「原因と結果」の経済学-データから真実を見抜く思考法-
- データ分析の力 因果関係に迫る思考法
- 岩波データサイエンス Vol.5スパースモデリングと多変量データ解析
- 岩波データサイエンス Vol.6時系列解析
- ソフトウェア技術者のためのFPGA入門 機械学習編
- 画像認識 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)
- 日本の人事を科学する 因果推論に基づくデータ活用
- 統計的因果探索 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)
機械学習成分少なめの年でした。あと、因果分析系をちゃんと勉強し始めた感じですね。画像認識 (機械学習プロフェッショナルシリーズ)はまだちゃんと終えていないので、2周目を読まなくては・・・。
IT技術:3冊
少ない!業務で実装をする時間も減ってきているのが如実に表れている・・・。来年はもっと、IT技術の本も読まなくてはいかん。
ロボティクス関係:7冊
ロボット入門 自律ロボット概論 プレミアムブックス版 プログラミングROS イラストで学ぶ ロボット工学 Raspberry Piで学ぶ電子工作 作って動かしてしくみがわかる シーケンス制御がわかる本 トコトンやさしいシーケンス制御の本
業務でロボティクスをやり始めたこともあり、いろいろとロボット関係の本は読んで入るが。。。ロボティクスは総合格闘技すぎて道程が遠すぎる・・・。来年も頑張らなくては。
自己啓発系:4冊
これ以外にも多少読んだけど、つまらなすぎてメモにも値しないのは書いてない。割合的にはいい感じだ。この自己啓発系で良い
チーム・組織:8冊
- チームのことだけ、考えた。-サイボウズはどのようにして「100人100通り」の働き方ができる会社になったか-
- 職場の人間科学-ビッグデータで考える「理想の働き方」-
- ジョイ・インク-役職も部署もない全員主役のマネジメント-
- 小さなチーム、大きな仕事-37シグナルズ成功の法則-
- FEARLESSCHANGE-アジャイルに効くアイデアを組織に広めるための48のパターン-
- 採用学
- その「エンジニア採用」が不幸を生む ~良い人材を見つけ、活躍してもらうには何が必要か?
- ヤフーの1on1―――部下を成長させるコミュニケーションの技法
今年の前半は結構、この領域の本を読んだ。自分の中での信念?的なものも持てたし、だいぶ満足。
育児:2冊
育児は仕事の役に立つ-「ワンオペ育児」から「チーム育児」へ- 乳幼児のこころ-子育ち・子育ての発達心理学-
もうちょっと増やしてもいいのかも。
非IT系
生体計測・生体センサー
自動車
その他
仕事で、生体センサーを扱っていたり、自動車系のプロジェクトやっていたりということで、近接領域?の知識をつけるためにこのあたりを読んだ。来年も近接領域が増えそうなので、ここは多くなりそう。ってか、IT技術って、基本的に何かに+αするものだから、必然的に「何か」の知識は持っていないといけないんだよねーと改めて思った2017年。
生体センサー周りを勉強している時、第2種ME技術実力検定試験を受けようと瞬間思ったけど、どうしようかなぁ。
書評_なぜあなたの研究は進まないのか 素晴らしく良い本。

- 作者: 佐藤雅昭
- 出版社/メーカー: メディカルレビュー社
- 発売日: 2016/07/08
- メディア: 単行本
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医学博士の佐藤 雅昭さんが書かれた本。
煽り系のタイトルにつられて読んでみたが、素晴らしい本だった。会社勤めの人にもすごく参考になるメッセージがたくさんでした。大学生(卒論生)や研究開発部門の人、何らかの専門性を持とうと思う人に得るものが多いメッセージがたくさん。本自体は薄く簡単に読める本なので、とてもコスパが良い本。
「承認欲求が研究の第一モチベーションになっていないか?」「実験・解析の部分さえ終われば、すぐ論文になると思っていないか?」など、大学院生の時に感じた“あるある話”に対するメッセージや
「よく眠っているか」「身体をいたわっているか」など、おざなりにしそうなことなどにもメッセージを出してくれているので、研究や仕事に向かうスタンスを良い意味で矯正してくれるような本でした。
巻末にあるメッセージリストを読むだけでも、十分効果がありそうだし、メッセージリストは張り出して飾っておきたい。
なぜあなたの研究は進まないのか?の姉妹本として、なぜあなたは論文が書けないのか?
とか
なぜあなたの発表は伝わらないのか?
とかもあるようなので、そちらも期待大なので、読んでみようかな。
書評_チームのことだけ、考えた。

チームのことだけ、考えた。―――サイボウズはどのようにして「100人100通り」の働き方ができる会社になったか
- 作者: 青野慶久,疋田千里
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2015/12/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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今更ながら、この本を読んだ。
独自の人事制度や働き方を中心に、「制度が生まれた理由」や「制度で何が変わったのか?」「制度導入で苦労した点」ということがメインで語られるのかな?と思いきや・・・。
「会社のビジョンを定めて、社内に普及していった話」や「ミーティングで建設的な議論ができるように思考・文化を変えていった話」など、組織の共通認識・組織の土台の文化を揃えて言った話など、“地味”な話が多かったと思う。
当初の期待とは違ったけれど、上っ面の人事制度ではなくて、土台の文化や考え方がしっかりしているということは大事なんだなぁと改めて思った。
この本を読み終わって、自分の会社/チームを考えた時に思ったことは・・・
- これからもっと改善していく所はあるけれども、人事制度としては整備されてないけれども、実際としてはいい感じだったり、雰囲気であったり考え方だったりもいい感じだったり、実態としてはまずまず
- けど、今は「自然と」そのような状態になっていると思うので、「意識を持って」「体系的に整理して」さらに良い状態にしていけたらいいな
統計的因果探索を読んだ。「なるほど!」がたくさんだった。
統計的因果分析に興味があり、岩波データサイエンス Vol.3や「原因と結果」の経済学を読んだり、最近、ちょっとずつ勉強しているのですが、ようやく、この本を読むことができました。
新たな発見がわかりやすく書かれていて、震えるほど、めっちゃ良い本でした。

- 作者: 清水昌平
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/05/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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因果と相関の違い・統計的因果推論の概要・LiNGAMの仕組みなどが書かれていて、 因果推論・統計的因果推論はどのように考えたら良いのか?を把握することができました。 (正直、まだLiNGAMの仕組みは全然理解できていないけれども・・・)
第1章で、相関と因果は違うよ?というのを”理論”と”実際のデータシュミレーション”の両方で 示していて、「なるほどねー!」と因果の世界に引き込まれました。 第1章の「 統計的因果探索の出発点」だけでも読んでみる価値は十分にあると思います。
社会心理学会の春の方法論セミナーで一度清水先生のお話を聴いたことはあるけれど、その時は事前知識がなさすぎて全くついていけなかったので、この本を読んだ後、清水先生の公演をもう一度聞きたい・・・
ロボット入門:読書メモ
ロボットの勉強始めようかと思って、下の本、読んだ。

- 作者: 渡辺嘉二郎,小俣善史
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2006/12/01
- メディア: 単行本
- クリック: 5回
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制御系・動力系・ソフトウェア・・・。総合力が必要とされるロボットの勉強、何をどう始めればいいんだ?と思ってところに、この本に出会った。
すべてが網羅的に触られていて非常によかった 以下、キーワードメモ!
ロボット入門
概要
ロボットの三原則
- ロボットは人間に危害を加えてはならない。また人間に危害が及ぶのを見逃してはならない
- ロボットは人間から与えられた命令に従わなければならない。ただし、与えられた命令が第1条に反する場合はこの限りではない
- ロボットは第1条と第2条に反しない限り、自分自身を守らなくてはならない
種類
- 多目的ロボット
- コミュニケーションロボット
- 接客ロボット
- 施業支援ロボット
- 清掃ロボット
- 警備ロボット
- レスキューロボット
- 福祉ロボット
- 医療ロボット
- 玩具ロボット
ロボットの構成
アクチュエーター
- 入力されたエネルギーを物理的な運動へと変換する機構
- 肩、ひじ、手首んアドの関節部分などの駆動源
種類
- 電力モータ(ACモータ、DCモータ、空気圧、油圧、ピエゾ素子、人工筋肉など)
動力源
- アクチュエーターを動かすもの
- ロボットの用途や使用するアクチュエーターによって使い分ける
- 工場内で使うか?屋外で使うか?人間が立ち入る場所か?などで変わってくる
センサ
- 外界の情報を捉えるもの
- 変位、速度、加速度、角度、角速度、距離などの物理量を電圧に変換するものが主
- 人間でいう感覚器
コンピュータ装置
- センサで取得したものはアナログ信号なので、デジタル変換する(A-D変換)
- 逆は、D-A変換
制御
- センサの信号をもとに、アクチュエーターをいかに制御するのかを考える
開発の流れ
CAD:computer aided design:設計支援システム
CAM:computer aided manufacturnig:製造設計支援システム
- CADで作られた図面をもとにコンピュータ制御された工作機械を使って、ワークを加工する
板金加工
- 金属板を切って、曲げて、溶接する
- よく、アルミニウムが使われる
CAE:computer aided engineering:開発工程支援システム
- ロボットにソフトウェアを組み込んだ状態での実験・解析をPCでシュミレートできる
- 航空や自動車がメインだったが、ロボットでも使われるように
- Ex)歩行ロボット:歩行時のフレーム強度やアクチュエーターの必要トルクを計算で出すのは難しく、試行錯誤をするが、それをCAEで実施できる
問題点:これからのテクノロジー
アクチュエーター
- アクチュエーターの性能は、大きさ・重量・出力・スピード・制御性・効率によって評価される
- 様々な種類のアクチュエーターがあるが、すべてを満たすアクチュエーターはない
バッテリー
- 大きさ、重量、出力、寿命の評価観点があるが、すべてを満たすものはない
- 1次電池:使い捨て電池
- 時計など使用期間が長いものに使われる
- 緊急時の電力供給が切れても心配がないというメリット
- 2次電池:充電可能・蓄電池
- 携帯電話など使用期間が短いものに使われる(毎回、電池交換していたら不経済)
* 自己放電:無負荷状態でも蓄電量が次第に減少していくこと * メモリ効果:電池を完全に使い切らない状態で充電をくり返すと、容量が減っていく減少 * メモリ効果をおこ明日電池も完全放電・完全充電をくり返すと解消されていく * 過放電:決められた放電終止電圧以下になること
材料
- ロボットの材料は、軽くて丈夫なものがいい
- 軽合金
- アルミニウム、ジェラルミンなど
- エンジニアリングプラスチック
- ABS、アクリルなど
- 繊維強化プラスチック
- プラスチックにセラミックなどの強化硬化材料をブレンドしたもの
ロボット基礎
アクチュエーター
- エネルギーを力や変位に変換する者
- 主に電気モータ
モータ
- DCモータ
- ACモータ
- PWM:pulse width modulation:パルス幅変調
- 電源電圧がHigh(電源電圧)とLow(0V)しかない場合に、その中間を作り出す技術
- 短い周期でHighとLowを繰り返し、パルス感覚を一定にして、パルス幅を変える
ロボット制御のためのセンシング
- ポテンショメータ
- 回転角度のセンシング
- ロータリエンコーダ
- 回転角度のセンシング
- ジャイロセンサ
- 温度センサ
- 発熱をしたら止める制御とか
- ストレーンゲージ
- 歪みセンサ
- 加速度センサ
- 蓄積衝撃の計算や、姿勢補助のために使う
- 距離センサ
- マイク
- 全方位カメラ
ロボットの機構
- リンク、カム、歯車
- シリアルリンク、パラレルリンク
自由度
マニュピレータ
- ロボットアームの事
移動ロボット
- 車輪移動機構
- 4輪、6輪、全方位など
- クローラ式移動機構
- 2脚移動歩行
緊急時の人間工学
- 緊急時の表示・標識
- 緊急時の警告音:危険の程度に応じて3種類ある
- 緊急信号:直ちに危険区域から避難することが求められる
- サウンドレベルは。65dB以上
- 背景騒音とのレベル差(S/N)は15dB以上
- オクターブ分析した場合は、各帯域でのS/Nが10dB以上
- 危険信号:救出・安全確保のために緊急の行動をとることを指示する
- 警告音:危険を除去・制御するための行動をとるための情報を提供する
- 求められるもの
- 目立つことは必要だが、騒音源となるような大きなレベルや不快感は避ける必要がある
- 電子機器・事務機器・工場でのさまざな警報、駅の信号音など様々な音があるので、意味を誤解を与えない必要がある。
- メロディーは音のな彼を識別させる有力な手かがりだが、場合によっては聞く人に煩わしい印象を与える可能性があり、警告音に徹したほうが無難という傾向がある
- 緊急信号:直ちに危険区域から避難することが求められる
- フェイルセーフ
- フールプルーフ
FTA(Fault tree analysis)
- システムが故障した時の原因となる事象を、その事象が生じるためには何が必要か?という演繹的な考え
- 故障や事故を事前に予想するためのものであって、原因分析に使うものではない
ヒューマンエラー
- SRKモデル:機械を捜査する人間の行動モードの3つ
- スキルベース
- ルールベース
- ナレッジベース
- ヒューマンエラーに対する2つの対策
- プリベンティブバリヤ(preventive barrier)
- ヒューマンエラーが事故に結びつかないようにする
- プロテクティブバリヤ(protective barrier)
- ヒューマンエラーによりトラブルが発生しても重大事故にならないようにする
- 不安全の分類に基づいて、スリップ・ラップス・ミステークの対策を考える
- プリベンティブバリヤ(preventive barrier)
「日本の人事を科学する 因果推論に基づくデータ活用」HRTechブームの現在、非常に参考になる本

- 作者: 大湾秀雄
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2017/06/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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手に取ったきっかけ
nakamichi @__nakamichi__ AI人事とか胡乱なこと言わずにこれ読んだ方がいいですよ的な. / 日本の人事を科学する 因果推論に基づくデータ活用 | 大湾 秀雄 http://ow.ly/MLzn30d7F1D
nakamichi @__nakamichi__ 経済学者による因果推論の一般向け本のひとつだけど,著者が実際に企業と人事データ活用研究会みたいなのをやった経験がベースになっているので,こういうことを調べたいときはこれを目的変数にしてあの変数をコントロールして回帰分析する,というような実践的な話が色々載っているのがおもしろい.
nakamichi @__nakamichi__ 「なぜ人事ではデータ活用が遅れているのでしょうか.まず言えることは,人事部に配属される人は,文系が多く,そもそも統計リテラシーが低いという現状があります.伝統的に人事の課題を扱う研究は『人的資源管理論』が主流でした.しかし,この分野の研究者も,定性的な分析に終始してきたため,
このあたりのTwitterを見て、この本の存在を知りました。なかなか挑戦的な感じがしたし、これはよい本だろうと、ポチッとしました。データサイエンスやHRTechのブームの今においても、なかなかデータ分析×人事データの書籍が出てきてはいないので貴重な本だと思いました。
感想
企業内データ計量分析プロジェクトでの研究成果がまとめられていて、とても良い本でした。採用/中間管理職の問題/ダイバーシティなど人事課題をどうデータ分析で扱っていくのか?という流れで描かれていて良かったです。
データ分析一辺倒でもなく、単なる組織論だけでなく、実際の人事課題をどうデータ分析で解決していくのか?という実際の現場で使えそうな感じで、バランス感がとてもよく、こういう本を望んでいた感じでした。
人事データはセンシティブデータと言われて、なかなかデータ分析が進まなかったり(個人的には病歴などを除いた人事評価などの人事データはセンシティブデータだとは思っていないのですが・・・)、データ分析できる人が人事部にいなくてデータ分析が進まなかったり、諸々の実際の権限が人事部にないからデータ分析が進まなかったり・・・。
人事データ分析が進まない理由は様々あると思うけれど、こういう本や論文がもっと広まって、人事データ分析が当たり前の世の中になるといいなと思う。実際、この本の中に出てくる分析例をそのまま自社に適応するだけでも、何かが得られると思うので、この本を片手に自社の人事データ分析を進める人が増えてほしい。
そして、回帰分析の強力さを改めて再認識。最近、DeepLearningが流行って、なんでもDeepLearningやっとけばいい空気があるけれども、回帰分析だけでも、使いどころを見極めて正しく使えば、ある程度十分戦えるなと改めて思った。現在のデータ分析の80%ぐらいは可視化と回帰分析でなんとかなるのではないかなと。