どらちゃんのポッケ

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リオオリンピックとIT技術 その2:競技関係

前回は、メディアや情報配信についてまとめましたが、今回は競技・トレーニングの中で使われている新しい技術についてまとめてみたいと思います。一次ソースになかなか当たれないので、わりと伝聞口調になってしまっていますが・・・。

競泳

Omegaがターンと連動するラップカウンターを800m自由形と1500m自由形でプールの底に設置。2015年の世界水泳カザンでも試験導入されていた技術らしい。これによって、残り距離を忘れずに済むというもの。

OMEGA Watches: OMEGA serves as Official Timekeeper at the FINA World Swimming Championships

昔、800m自由形に出場してましたが、苦しい時、残りの距離を忘れてしまっていたりしたので、こういう技術はありがたいです。ほんと。一般層まで早く落ちてこないかな。

また、Ryan Lochteなどが、日常生活の改善のために、リストバンド型ウェアブルデバイスのwhoopつけていたらしい。whoopで取得したデータ(睡眠時間やトレーニング時間、アルコール摂取など)を参考に日々の生活をコントロールしていたみたい。その他、競泳選手だけでなく、いろいろな選手がつけていたみたいで、詳細は下記blogに書かれている。

thelocker.whoop.com

カヌー

オールにGPSセンサーを取り付けて、どのくらいのスピードで、どこを走行しているのか?ということがわかるようになり、それをスクリーンに映し出すことで、観客の観戦体験が大きくかわったらしい。

また、GEは、カヌーに加速度・ジャイロ・GPS地磁気などのセンサーをつけ、大量に取得・リアルタイム解析し、カヌーチームのトレーニングを支援していた。センサーデータにより、ボートの位置/姿勢/速度・ボート漕ぎの強さなどを割り出すことができるようになり、さらに選手のハートレートと合わせて分析することで、効率的なトレーニングができるようになったらしい。

www.gereports.com

さらに、イギリスチームは、VRを使いコースのチェックやイメージトレーニングを行っていたらしい。水に入らず、着替えをする必要がなく、コースのチェックやイメージトレーニングができることが良かったらしい。

10 Gadgets That Give Olympic Athletes an Edge in 2016 の7ページ目

アーチェリー

電子採点の仕組みを導入し、また選手の心拍数も見えるようになっていたらしい。採点までの時間が短縮され、心拍が見えることによって観客にも緊張感も伝わるようになったらしい。

ボクシング

Hyksoという、センサーを拳に巻きつけ、強さ・スピード・パンチの種類・パンチのカウントをし、スマホで確認できるデバイスを、アメリカ・カナダのチームが使っていたらしい。

HyksoはY Combinator出身のスタートアップで、一般の方も購入できるようになったっぽいので、欲しい方はポチッとしてみてはいかがでしょうか。

www.hykso.com

自転車競技

アメリカの自転車競技チームが、Solosという、リズム・心拍数・距離などが投影されるスマートグラスを使ってトレーニングしていたらしい(本番は使用不可だったっぽい)。

こちらは、Kickstarter出身とのこと。

www.kickstarter.com

また、New Zealandチームは、空気抵抗を考え、個人ごとの特性に合ったハンドルバーを3Dプリンターで作成していたらしい。また、さらにそれを発展させたものとして、パラリンピックの選手の義足も3Dプリンターで作成し、使用するらしい。支援はAutoDeskが行っている。

www.dezeen.com

体操

アメリカの体操チームが、血流を良くすることで故障予防をするためにLumiWaveを使用していたらしい。

その他:会場周り

セキュリティバルーン

logosはもともと防衛の米部門のための技術を転用して、リオオリンピックの警備のためにセキュリティバルーン(気球)を使用した。この気球で写真を撮影し、警備に利用した。4つの気球に13個の高解像度のカメラを搭載し、1個の気球で約140平方kmをカバーする。周辺地域の毎秒3枚の写真を撮影することが可能らしい。

リング型決済

VisaがNFC搭載のリング型デバイスでの決済を入れていたらしい。充電不要、水深50mまでの耐水性がある。 手ぶらで買い物ができ、耐水性もあるということで、競泳のMissy Franklin選手が、使っていたらしい?

開会式ウェア

アメリカチームの開会式のブレザーはPolo Ralph Laurenのものだったけれど、その全面・背面両方に電子発光パネルを使っていたらしい。文字通りのウエアブルデバイス。

3D printerでシューズ

Under Armourがマイケルフェルプス特注のシューズを3Dプリンターで作ったとのこと。競泳選手に靴はまぁ必要ないけれど、マーケティング・宣伝目的で作成したとのこと

fortune.com

まとめ

ウェアブルデバイスはよく登場してきていて、2020までにはもっと、トップアスリートがウェアブルデバイスをつけるということはあるのかもしれない。ただ、「ウェアブルデバイスも胡散臭い代物から、徐々にトップアスリートも使うぐらいのものになってきているのか?」それとも、「ベンチャーマーケティングの一環でトップアスリートに着けさせているのか?」どちらなのか疑問だなと思った。

調べている限り、日本の技術はあまり出てこなかったけれど、2020に向けては日本の技術もどんどん展開していってほしいな。例えば、気球の監視は、セコムさんが東京マラソンで実施されていたり、NTTさんと東レさんのhitoeは生地に電極を埋め込むことで、ウェアで心拍・心電図まで取得できたり。・・・といったように、まだまだ私の知らないものも含めたくさんあると思うので、4年後までに選手だけでなく、裏方を支える技術でも日本勢が躍進できればいいなと思った。

また、カヌーのGPS導入とか、アーチェリーの心拍表示とか、観客をいかに楽しませるのか?という視点で技術も導入されてきていて、そっちの方向も面白いなと思った。いろんなところにセンサー着けて、オープンデータにしちゃえば、色々な次の発展もあると思うし、楽しいと思うけど、利権問題で難しいんだろうなーと。

参考