書籍[みんなではじめるデザイン批評]は批評をする人/される人にオススメの本
みんなではじめるデザイン批評―目的達成のためのコラボレーション&コミュニケーション改善ガイド を読んだ.
きっかけ
きっかけはcolissさんのこのブログエントリ coliss.com
最近、デザインの議論をすることが多々あるけれど、効率のいい議論が全然できてないなーと思い、この本を読んでみることに。
デザインに関してだけでなく、チームワークで議論するためのノウハウもたくさんだった
タイトルから想像していたイメージでは、デザインの批評プロセスについて描かれているのかな?って思ったけど、読んでみたら、「指示型・反応型・クリティカルシンキングなどの批評のタイプの話」や「批評の際に陥りがちな罠」など、デザインだけでなく様々な場面で汎用的につかえるノウハウが多かった。そして、最後の2章を読むだけでも十分かもしれないぐらい、最後の2章+Appendixはよかった。
ちなみに、こんな感じの章題。
第6章 扱いにくい人々、やっかいな状況
第7章 サマリー:批評はすばらしい協働の中核をなす
Appendix:批評をダメにする10の悪しき習慣
この本を通じて、「これ、違う」はフィードバックとは決して呼ばない。正しくフィードバックし、批評し、議論するというのは、1つのスキルであり学習しないと身につかないと改めて感じた。こういうスキルを自然と身につけて実践している人も多いが、そうでない人もやっぱり多く、こういう本が普及すればいいなと思った。そして、やっぱり、立場が上の人に対して、「批評スキルをもっと勉強してください」ってなかなか言いずらいこともあったりして、どう教育するのかというのも難しいなーと強く思った(一番勉強してほしい人が、一番興味を持っていない問題)。
“デザイン“の批評に関して印象に残ったのは、「ユーザ体験に沿って説明をすることで伝わりやすくなる」「単純な感情の反応としての批評を受けたときに、ユーザ体験・ペルソナなどを文脈を絞って聞き返すことで、正しい批評に近づく」というようなところかな。
まとめ
全般的にとてもいい本だったけれども、翻訳のせいか読みにくかった気はする。スッと頭に入ってこない感じはした。けど、それを補ってあまりある内容だったので、一読の価値は十分にあると思います。
ちなみに、長谷川恭久さんが似たような問題に対してブログエントリを書いていらっしゃるので、こちらも参考になるかと思います。