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どらちゃんのポッケ

R・統計・技術メモなど勉強ログ置き場

『多様性を活かすダイバーシティ経営―実践編』も読んだけど、とても良かった

人事・組織 読書

多様性を活かすダイバーシティ経営 基礎編新・ダイバーシティ経営企業100選を読んだ後に、この本を読んだけれども、とても良かった。

企業文化としてダイバーシティをどう浸透させていくのか、ダイバーシティ浸透のプロセス・考える事など、タイトル通り「実践」していくために必要なことが書かれていた。

他の組織論との関わりあい

この本では、学習する組織の理論が紹介されていたが、ダイバーシティを導入する=組織の文化を変えるということになるので、組織論の話は切っても切れないし、文化を組織に効率よく根付かせるための理論とも密接に関わってくるだろう。

学習する組織は、今回、はじめて知ったが、面白そうなので、別途、詳しく勉強したいと思う。

無理やりにでもやる意味がある

「構成人員の30%を少数派が占めると、意思決定に影響力を持つ」というカンターの黄金の3割理論をこの本ではじめて知った。今まで、ダイバーシティ推進に賛成的な私も、法や制度でしばって女性の雇用割合を変えることには、否定的でした(そもそもの業界志望のバランスや、逆差別的になることのリスクなどが理由)。

けれども、この話を聞いて、無理やりにでも30%にする意味はあるんだなと思った(無理やりとは言うものの、環境準備・教育はしないといけないのは当たり前ですが)。

加えて、自分の考えは、まだまだ固いのかも知れないと思わされた気もする。 自分は男性なので、女性が30%未満の組織の中で女性が感じている「女性が意思決定に影響力を持っていない」という雰囲気を感じられていなかったのではないかと。そもそもの業界志望のバランスや、逆差別的になることのリスクというものは、過学習の局所解に陥っていたのではないかと。

考えを改めてみようと思った。

構成人員の30%にすると言っても・・・

構成人員の30%にすると言っても、例えば、エンジニアで「パソコンは嫌いです」という人を採用する訳にもいかず、構成人員の30%を目指すためには、ITっていいなと志望してもらえるように、女性の裾野を広げる活動が大事なんだと改めて気づかされた。

逆に女性が多い業界では、男性向けに間口を広げてもらえるといいのかも知れない。

最近、ITの勉強会で女性コミュニティーをたくさん見かける。python界隈だと、PyLadies TokyoDjango Girls。また、この前の国際女性デーの時には、googleが女性向けワークショップを開催していた。

今まで以上に、こういった活動を応援していきたいという思いが強くなりました(といっても、今現在は何も貢献できておりませんが・・・)

コンフリクトマネージメントが大事

コンフリクトマネージメントについても書かれていて、ただ価値観・視点が多様化してもダメで、それを上手く纏めて束ねて、コンセンサスを得るようにしないといけないと実感した。

コンフリクトマネージメントは、ダイバーシティが進むにつれて価値観が多様になるにしたがって、難易度があがっていくだろう。現在のマネージメント・会議のファシリテーション能力よりも高いものが要求されるようになるはずだと思う。

「コンフリクト(意見の対立)はいいこと」、「コンフリクトした後にどうするのか?」ということをキチッと全社員に教育しなくてはいけないということだろう。

1つだけ、「あれ?」と思ったのは、妥協の扱いについて。本の中では、「ダイバーシティの文脈では、譲り合う妥協も大事」とあったけれども、そうなのだろうか?議論の結果、しょうがない着地点としての妥協ならわかるが、そうでない場合、「みんななんとなく納得しているけど、誰も幸せにならない」なんてことになるのではないかな?と。 デブサミ2015でのこの発表を思い出した。あくまで目指すのは、winwinな関係じゃないか。

私の思考がソフトウェア開発に寄っている部分はあるが、それでも妥協、妥協、妥協で決められた決定は、何の特色もない当たり障りのないものになっていくような気がしてならない。どうなんだろうか?しかし、コンフリクトから新しい何かを創造していくというスキルが今後求められるんだろう。

個々人も優秀にならないと

  • ダイバーシティについての知識
  • 働き方が縛られなくなった時に、自律的に仕事ができるのか
  • 限られた時間で、自身の価値を発揮できるように自分の価値を把握しておく
  • 自分/相手の属性・価値観・能力を正しく把握する
  • コンフリクトを扱うことの知識

・・・などなど、個々人も現在よりも多くのスキルを求められるようになると思う。

逃げずに向きかって考えていく事

ダイバーシティをすすめると、画一的な方法が取れず、上記のような課題や、やるべきことは沢山あるけれども、経営ゴールを明確にして、逃げずに真摯に向き合うことがまず大事だなと思った.頑張ろう。

まとめ

とてもダイバーシティの基礎がわかった上で、読むととても参考になる本だと思います。そして、全体的に感じたのは、「銀の弾丸はない」ということ。ダイバーシティ推進のためには、意識を変えるための地道な研修と広報活動、トレーニングが重要なんだなと思いました。