「多様性を活かすダイバーシティ経営 基礎編」は私のモヤモヤを解消してくれた良書だった
2016/5/3のガイアの夜明け(保育園落ちた...どうする日本? ~"働きたいママ"を救うには~)で、保育園の取り組みや、育児と仕事の両立を目指す取り組みが紹介されていたり、ダイバーシティ経営は今後必須になるなと思い、ちゃんとダイバーシティの勉強してみようということで、今回はこの本を読んだ。
「ダイバーシティ推進=女性活躍」と両者を同義のものとしてとらえてしまうと、ダイバーシティの本質を見誤ることになり、望む結果を生み出すことはできません。ダイバーシティ推進の真の目的は「個」のもつ力を最大限に引き出し、その相乗効果やそこから生まれる活力を組織の成果につなげていくことです
多様性を活かすダイバーシティ経営 基礎編 P4:はじめに から引用
「はじめに」に書いてあった、上記の内容は、以前私が書いたブログエントリと同じ問題提起に見えた。
sleeping-micchi.hatenablog.com
これが、ダイバーシティの本質に近い部分であると更なる自信が持てたし、同時に「この本は必読書だ」と感じた。 内容自体は小難しいことは書かれていないが、以下のような項目が書かれていて、ダイバーシティの理論的な基礎が網羅されてるように思った。非常に参考になった。
- ダイバーシティの本質的な理解とその概要
- 歴史的背景
- ダイバーシティとワークライフバランス/働き方の柔軟性の関係性
- ダイバーシティと女性活躍の関係性
- 年代・ハンディキャップ・LGBTなど主な属性問題に関すること
- ダイバーシティを推進する上での導入フェーズと、各フェーズでの課題、KPI
特に、私が持っていた、「世の中一般的に持たれているであろうダイバーシティについてのイメージへのコレジャナイ感」や「いろんな観点が絡み合っているモヤモヤとした感」をすっきりとさせてくれた、ダイバーシティの本質的な理解やダイバーシティとワークライフバランスの整理はとてもよかった。
感想とか、悶々としていることをツラツラと・・・
個の強みを探すこと、個に合わせるということ:現在の組織マネージメントの過学習からの脱却
これが一番の大事なことなんだろうなと。それぞれの個の制限と強みをうまく考えて、組織を作り上げるということ。
労働集約型やパフォーマンスを一定にするためには、一昔前のマネージメントのように、人々を画一的と見なすやり方の方が、マネージメントにコスト・時間・心理的な負担がかからずに済むため、それに最適化された形であると思う。
労働集約型が限界を迎えつつあるいま、マネージメントを細分化し、個々ごとに適応したマネージメントをしないということなんだろう。今後、マネージャに求められることは従来の比ではないと思う。
評価制度について
女性・年代など、いろいろな所に当てはまるが、例えば、分かりやすく、「無制約社員(いつでもどこでもどれだけでも働ける人)」と「制約社員(介護や育児、自身のことなどによって、時間・場所など何らかの制約をもって働く人)」との間の溝と評価制度をどうするのか?
ここは、自分の中でもまだ整理ができていないし、意見もまとまっていない。 悶々とした想いを下記にメモっておくと・・・
- 無制約社員は、会社から見ると制限がない分制約社員よりも扱い。無制約社員は、制限もなく働くことができるということも“能力”であると思う
- 上記のことを踏まえ、制約社員と無制約社員が同じ成果だった場合に、評価は同じとしていいのか?
- 同じ問題は、サイボウズのブログ にも載っていたが、とても難しい問題であると思う。
業種・仕事内容・給与水準・なにを成果とし、どう評価するのか?などで大きく変わってきそうな部分ではあるが・・・。その前に、まず評価制度のことなどは詳しくないので、そこから勉強しよう。
社員教育・キャリアプランニング
特に、制約社員問題に関しては、「制限がある中での自分の価値の出し方」「働き方も含めたキャリアプラン」をしっかりと考え、教育する機会をつくらないといけないと思った。今回、自分でダイバーシティのことを調べて勉強したから色々と考えるキッカケがあったが、社内研修もまだまだできていないので、普段の仕事の生活では、こういうことを考える機会は少ないと思う。
しっかりと準備をしていないと、自分がいざ無制約社員から制約社員になった時、どうしていいのかがわからないと思う。いくら制度があって、実践するのは個々人なので、ダイバーシティ時代の働き方、キャリアプランとしっかり向き合うチャンスを用意・教育しないといけないなと思った。
この本、続編の実践編もあるようなので、実践編も読んでから再考してみることにします。